しかし山を一つ越えて行かなければならないのなら、仕方がないから越えるまでだ。そこに山がなければ、道中はむろんもっと快適だろう。
距離も短くなるだろう。しかし現に山があるのだから、越えなければならんのだね。
- ゲーテ『若きウェルテルの悩み』
ようこそハモニカ・ライダーズへ!四番車初陣、目指すは舊古河庭園。午前廿時、三鷹橋集合。走行先日は深酒するなと言つてた本人が遅刻してどうすんだ。
三鷹から吉祥寺を抜けて早稲田通と不忍通で少し下町の雰囲気を残す駒込まで。駒込のとんかつ「とんき」で予定通りの昼食。
「あれれ、シャッター閉まつてるぢやん」、「今日休み?」。するとガラガラとシャッターが開ひて開店、と殆ど同時に満席。
目黒の本店から暖簾分けした「とんき」の豚カツは味も宜いが値段も宜い。駒込から本郷通に出て舊古河庭園に到着。
英吉利人建築家ジョサイア・コンドルの設計したこの庭園は大正六年古河虎之助の東京に於ける大正初期の代表的庭園。
弐番者が葉書で予約してあつた舊古河邸本館の見学もする。主構造はレンガ造り二階建て、外壁は新小松石の野面積み、屋根は天然スレート葺き、延床面積四百十四坪洋館内部に巧みに和室を組み込み、
和洋を調和させたコンドル晩年の作風を示す邸宅建築の代表作。と、建築知識皆無なので入場券の裏の能書きを丸写し。
この大邸宅に古河虎之助、妻、養子の三人で使用人三十人を従えて九年間暮らしてゐたさうな。庭園も一通り観て時間がまだ有る。護國寺に有るコンドルの墓を観て帰らふ。
因みに護國寺には大山倍達の墓も有つた。
夜は吉祥寺でお好み焼き。以前満席で入れなかつた玉屋。今日は時間が早いから四人で座敷に入れた。
「ボードの帰りですか?」、「いや、自転車」。接客も宜いし味も宜い。四人で烏賊丸焼き、お好み焼き、もんじや、焼蕎麦を食す。
「もんじやなんて三十年くらひ喰つてなひな」、「こないだパスタ館で喰つたつしよ、アルツかよ」。兎角この店気に入つた、又来よう。
ハモニカ・ライド廿一番勝負無事終了。
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